ワンダフル大学院のコンセプト
Wonderful × PLAYFUL
生きる意味を追求して人生を心豊かにする生き方をワンダフル・エイジング (日下, 2011) とよんでいます。ワンダフルには、新しい出来事との遭遇にときめく驚き(ワンダー)に満ちたという意味があります。人生は、日々の変化の中で新しい自己と未来に出会う驚きに満ちていて、よりよく生きようする人は、一生を通じて成長します。この成長を促す重要な要素に、プレイフル (上田, 2009) があげられます。プレイフルは、人が限界に直面した時になんとか目的にたどり着こうとして発揮される、柔軟で自由な態度です。学びや仕事、人生を楽しく豊かにするために、プレイフルは目に見えないところで大きな働きをしています。ワンダフル大学院の理念は、プレイフルとワンダフルの考え方に基づいています。
大学院という場で起きること
これまでできていたことができなくなったり、何かを失うことによって初めて、失くしたものの大切さを実感するのかもしれません。
喪失という限界を超えた人の語りには、迫力があり説得力も増すはずです。新しい「大学院」の授業では、知識の伝達だけではなく、「なぜ大切か」、「どう使えるか」という意図を伝えるのが目的です。
小学校に入学したばかりの子どもたちは、一度は「どうして勉強しなくちゃいけないんだろう」と考えることでしょう。そんな子どもたちに、学ぶ意味や楽しさに気づいてもらえる場所として、人生経験を積んだ大人にとっては、これまでをふりかえり経験してきたことの意味を見つける場所として,その場所を創る大学生は,それぞれの求める成長の機会にあふれた場所として、みんなの大学院をみんなで育てます。
意図を共有する人と人との間には信頼が生まれます。信頼を基盤に、人は自分や環境、未来を前向きに信じることができ、それが希望の源となると私たちは考えています。
ワンダフル大学院には、「生きる意味」の対話から、地域に暮らすみんながつながり、共に希望ある未来を創造するたくさんの仕掛けが用意されています。
ワンダフル大学院のシステム
Be a Professor
特技をいかして講義をしよう!
大学院の運営・講義に参加して、成長する喜びを一生実感し続けよう!!
伝えたいことがある人、経験を通した学びを語りたい人が講師になって、講義を行います。講師を含む3人以上がチームになり、講義を企画、進行します。「大学院」の講義は、知識や技術の伝達ではなく、「なぜ大切か」、「どう使うか」という意図を伝えるのが目的です。教えることを通して、講師がこれまでに学んだことを集大成させます。
講義の場所・内容は、プロフェッサーチームが設定します。受講者の反応を思いやりながら講義を考えて提供し、その結果を互いに共有する、その思いやりと感謝の応酬が、人と人をつなぐコミュニティの要になっているのがワンダフル大学院のシステムです。
Be a Student
お気に入りを見つけて楽しく参加しよう
大学院の講義は、3つの専科にわかれています。全部参加するのも、お気に入りを選んで参加するのでも構いません。講義の後には、講義について語り合う時間「お福寄せ演習」があります。演習に参加して、講義の内容や感想、感謝を他の人と共有すれば、講義が人数分楽しくなるはずです。
組織概要
主催 同志社女子大学ワンダフル・エイジングプロジェクト
団体 同志社女子大学ワンダフル・エイジングプロジェクト
場所 プロジェクトの事務局は同志社女子大学京田辺キャンパス日下研究室に所在します。
〒610-0395 京田辺市興戸同志社女子大学 現代社会学部 日下研究室内
(ワンダフル大学院は同志社女子大学京田辺キャンパスと京都府下の既存施設を活用して、府内全体をキャンパスとしています。特定の教室は設置していません)
設立日 2016年4月
事業内容
・60歳からのライフ・キャリア・デザイン
・多世代交流のイベント設計・運営
・高齢者の意欲向上のワークショップ
目的と活動
ワンダフル大学院は、地域に在住する中高年の方々で、「生きがい創造教室(人生後半の生きがい追求のライフデザインプログラム)」、もしくはそれに準ずる講座等を受講した人が参加し、参加する人々がみんなで学校運営、講義企画、講義実施、受講を行う学校です。
主体的な活動を通して、参加する人が生きる意味を見出し、一生続く成長の喜びを多世代で学び合う場の創造が、大学院の目的です。大学院では、個別の生き方を追求する人と人とが互いを思いやり、感謝する関わりで地域のコミュニティ形成を促します。
ワンダフル大学院は、文部省不認可の本当の大学院ではない学校です。専門知識の習得だけでなく、知識を知恵へと導く発展的な学習を行うことから、大学院と呼んでいます。大学院への参加により、地域の子どもから高齢者までの心身の健康と、学習効果の維持・増進をめざします。
企画委員会は、同志社女子大学ワンダフル・エイジングプロジェクトを中心に、臨床心理学、精神医学、認知心理学、学習環境デザイン、映像プロダクトデザインを専門とする研究者、実践家が組成し主催しています。
ワンダフル大学院企画委員会では、毎週1回の大学院の運営計画や、講義の企画、講義を実施する市民との連携、参加の効果を実証する研究活動、また広報活動を行うことでワンダフル大学院の活動をすすめています。
運営の中心となっているワンダフル・エイジングプロジェクトは、「年を重ねるほど心豊かに生きるワンダフル・エイジング」の実現を目的に、 2007年より京都府内外の産学官連携・協働を基に、人生100年時代の多世代交流による地域での生きがい創造に貢献する事業を推進する研究団体です。